ジャポニスム2018:SMAPの「スキマ」仕事とブランド戦略

何ヶ月も更新がなかったブログで怒涛の更新、って一体何やねん、とお思いの方も多いかと思いますが、たまたま書く時間があるので思いついたことは書いておこうかなあと。

SMAPファンの間では、香取さんがフランス、ルーブル美術館で開催される日本の現代美術、映画、舞台を紹介するジャポニスム2018の広報大使に就任、香取さん自身の個展も同時開催、というニュースが駆け巡りみなさまいろんな感情を持たれたのではないでしょうか。吃驚したり、嬉しかったり、誇らしかったり、あとは慎吾ちゃんが遠くに行ってしまうようなちょっと寂しい気持ち。

私はこの仕事をSMAPがやってきた戦略の踏襲、つまり中居さんのいう「隙間」産業だと位置付けています。つまり、他の人がやっていない「スキマ」を見つけて仕事にするというもの。もう一つのSMAPが使っていた戦略でこの件に深く関係するのがブランド戦略。

パラサポ支援もですが、ジャポニスム2018もSMAPの香取慎吾、アーティストであり、日本のJ-popカルチャーの具現者であり、スマスマやスマステを通じて日本の映画、舞台芸術からアニメまで広く知る機会があったテレビタレントの香取さんは、ジャポニスムの広告塔としてはまさにうってつけ。しかも生放送で20年近く鍛えられているからその場で素早く考えてコメントもできるし、偉い人と会った時の対応はスマスマで学習してるし、北京コンサートでも中国政府が正式に招聘されたゲストとして立派に役目を果たした経験も。さらに、香取さんはジャポニスム2018の展示やイベントの様子をリアルタイムで世界中に発信できる。しかも少なくとも日本では抜群の知名度があり(ジャニ事務所の圧力でテレビから干されていることもあって)時間がある。外務省の外郭団体である国際交流基金が香取さんに白羽の矢を立てたのもうなずける。

だけどここで私が言いたいのは、たまたまこの仕事が同じくらい効果的にできてしかも時間が取れる人がほぼいなかった、ということも理由でしょうから、他にあんまりふさわしい人がいなくて仕事がある、っていう状況で、スッと「スキマ」に入り込んだ、みたいなとこがあるんじゃないかな。そしてその「スキマ」仕事がSMAPがやった後、人気の定番になったり権威を持ったりすることもある。

SMAPさんたちは謙虚で優しくて他の人たちの仕事を奪い取ったりしたくない人たちだと思う。だから自分たちで「スキマ」を探してできるだけ他と被らないように仕事をしたいんじゃないかな。あんまりジャニ映画やってない時期に期間限定でやった「クソ野郎」の映画もそうだし、アベマテレビもそうだよね。

踏襲しているもう一つのやり方としてはブランド戦略。こっちは飯島さんの功績が大きいけど、SMAPはCM(特に5人のCM)の企業を厳選したり、お金と手間をかける、あるいは有能なクリエーターを探して凝ったユニークなCMを作ったり、あと、5人やメンバーの露出を絞ったりして「高級感」を出す戦略を実行。

香取さんの今回の広報大使の仕事やルーブル(といっても本館ではなくて付随の商業施設の中のホールなのだけど)での個展も明らかにブランド戦略の一環。もちろんカルティエやBMWのプロモーションの仕事も同様。

ここで私が思い出してしまうのは、SMAPが一旦解散になる前だったけど、大手掲示板でSMAPの「5人が一緒に事務所を退所してくれないかな、退所してくれたらドサ回りでデパートの屋上の興行なんかやらなきゃいけなくなっても私はSMAPについて行くわ」なんて豪語していた熱いファンの人たちなんだけど、そこで冷静に「う〜ん、高級感があってファンにとってちょっと雲の上なのがSMAPなんだから、デパート営業スマはもうスマではないのでは?」って言ってる人がいて、何を言いたいかというと、2000年代以降の5人集まった時のSMAPとは定義に置いて「ゴージャス・ラグジュリアス・リッチ・高級・別格・豪華」を身にまとったようなグループだったんじゃないかな、って言うこと。要するに飯島さんは細心の注意を払ってそういうブランディングをしていたってこと。で、それは「ジャニタレ」「アイドル」としてバカにされ、格下に見られていたSMAPをはじめジャニーズのタレントの地位を上げるために必要だったし、有効だった。

3人がジャニ事務所という大きな後ろ盾を失い、かつて所属していたその事務所に嫌がらせをされている今、ブランド戦略というのはかつてないほど重要になっている。第一ネットテレビ=2軍、3軍落ち、という地上波至上主義がまだまだはびこっっているし、3人はCMとまれにNHKや地方ローカルの番組なんかに出演する以外地上波のテレビからは完全に干されている。高級ブランドや東京五輪やパラリンピックとも深く関連する国が推進するジャポニスム2018の公式広報大使に任命されたことは、SMAPブランドを維持し、ニュースでの地上波露出のためには、これっきゃない、くらい新しい地図側としてはある意味捨て身の戦略。つまり、余裕のあるところから選択した仕事ではなく、崖っぷちの努力なんだと思う。そうでなかったら芸能人として格落ち必須。

香取さんが遠くに行ってしまうような気がしているファンは、アンチの人たちの言葉を有効利用して、香取さんの個展はルーブルとはいえ本館じゃなくてカルーゼル・デュ・ルーブルという商業施設の中にある貸しギャラリー、ってぶつぶつ言ってみたらどうかな。何ていうのかな、今、新しい地図の3人が置かれている結構大変な状況を考えると地方のファンのために巡回展示みたいなのでなく、「ルーブル」で開くってことが必要だったのよ。でも、その個展のタイトルは「NAKAMA」des Artsに決めてファンにもリスペクトを払っている。

慎吾さんはルーブルで箔をつけた後必ずフランスに行けない地方のファンも会えるように計らってくれると思うよ。2000年代、SMAPが「国民的」になっちゃって遠くなってしまったように感じたファンも少なくなかったと思うから今回も似たようなものだけど、今回の箔付けで大事なのは、権威のある仕事によって地上波テレビでの露出への突破口を開こうとしていることじゃないかな。アベマテレビもYoutubeもSNSもいいけど多くのファンの寂しさを癒すことができるのは地上波テレビ露出でもあると思うし。もっと言えばルーブルは、SMAP5人の合流や毎年のライブかファンミも含めてSMAPが通常運転に戻るための手段と考えればいい。

最後に、寂しい思いをしてるファンの人は新しい地図に素直にその思いを伝えたらいい。ホンネテレビや映画の成功もファンの心からの応援がなくてはなかった。ジャニ事務所時代最後の2年死ぬほど辛い思いをして芸能生命をキープできるかどうか、おそらく真剣に心配した3人はファンのありがたさをよくわかっている。あのマイペースの吾郎さんがさらっと「死ぬまで忘れない」っていうほどだから。私たちが各自5000円ファンクラブに収めた会費がなくては、映画制作や3人の活動もままならなかったことは飯島さんがおそらく一番よく知っている。

現実的に考えたら、3人っていうか2人に会うための一番の近道は、映画の舞台あいさつでできるだけ地方を回ってくれるように頼むことかな。落ち込んだ時行動するのはしんどいけど何かしなければ私たちの望む方向には変わらない。

Yumey

娘さんのモデルデビュー

この件についての私の結論は、SMAP復活プランと娘さんのデビューは別件。 

私は現段階でとりあえずの目標は5人で揃うことではないかと思っている。SMAPの名前や歌を使うとなると権利を保持しているのは事務所だから難しくなる。だけど5人が一緒に何かやるのは上二人の所属しているジャニ事務所が許せば明日にでもできる。

なぜ私がそのうち5人揃うと思うのか?
もし5人でやる目星がついていなかったとしたら、あそこまでの匂わせをしないし、「クソ野郎」のような映画は絶対に作らない(前記事「『クソ野郎と美しき世界』はSMAPファンへのメッセージ」参照)。

SMAPメンバーはファンに対して誠実です。もし5人で揃う予定がなかったら「グループでやることはないから諦めろ」と森くんの時のように、きっぱりと言葉や態度で示す。ファンの飼い殺しのようなことは絶対しない。

一方、残留メンバーの回りにはわさわさと変化が起こっている。
木村さんが長期契約していた最後のCM、しかもスポンサーさんが木村さんをとても大事にしてくれていたタマホームとの契約が2018年1月の頭に終了。
年末年始、ちょっと珍しい形の短期のラインのCM、新しい地図の企画を彷彿させる西武デパートのCMが流れる。しかも西武のCMはテレビ放送がなく、ネット記事すら一つも出ていない。
BGのアメリカの日本語チャンネルでの放送は、もともと放送が決まっていたものが一旦白紙になり、日本語の放送局から改めて「放送できるようになりました」との告知があり無事にスケジュール通り放送。
その後木村さんはCMの仕事はなく、マーク&ロナのブランドアンバサダーの仕事は、事務所が営業したわけではなく、木村さんの友人経由の仕事。
何より不思議なのは2019年公開の映画『マスカレードホテル』を昨年中に撮り終えたこと。
真木よう子さんは映画を撮り終えた後、公開を待たずに独立しているから、木村さんも映画が未公開なことは移籍できない理由にはならないわけだ。

中居さんも『ナカイの窓』の形式が変わったり、『なかい君の学スイッチ』の制作に「窓」の制作会社が加わったり。
ラジオでSMAP曲を封印している中居さんが「新しい地図」の3人が出した『雨あがりのステップ』をかけ、「かすれ声とかもうちょっと雑な声」が入ってないとイマイチ売れないと発言(半ば過ぎの香取さんのソロがちょっと長すぎるしね—っていうのは私の感想だけど)。
ラジオで「家の片付けしてる」って言ってたけど、私は新しい場所に移るために仕事の方も「片付けてる」んじゃないの、ってツッコミたかった。

中居さんは去年の春から夏にかけてテレビ越しにもちょっと辛そうなところがみえてたんだけど、中居さんだけじゃなくて木村さんもなんとなく明るくなったのが11月頃だったと思う。ファンは3人のホンネテレビがうまくいったから、って思ってたんだけどもしかしたら5スマ合流につながる突破口が開けた?

とにかく、5人アピールはもう長期間続いていて、その間裏でいろいろな準備をしているとしたら、木村さんの娘さんがデビューしたからと言ってその予定が変わるわけがない。
「もし、娘さんデビューでその計画が白紙になったとしたら?」
っていうのはないでしょう。
なぜならSMAPっていうのはいろんな人を巻き込んだ巨大ビジネスで、かなり前から決まっている仕事も多い。2015年のジャニーさん主導の円満移籍が頓挫してからもSMAPビジネスを一旦終了させるまで1年かけている。

報道によると娘さんのデビューは3ヶ月ほど前から準備していたそうだから、5スマ合流計画が進んでいたとしたら同時進行で、双方障害になることはない、という理解で進められたはず。

娘さんは魅力的なモデルさんかもしれないけど、ぽっと出のモデル一人のビジネスで動くお金は高額ではないだろうし、SMAPの5人が揃うことによってやれるビジネスを犠牲にするわけはない。もし5人合流の計画が進んでいたらそれを頓挫させて娘をデビューさせる力は木村さんにも工藤さんにもないと思う。

中居さんはあんまり言ってないけど、木村さんと3人は「約束」、「約束を守る」ってことを繰り返し言ってる。
行った人は見たと思うけど、NAKAMAdeArt展では両手の小指を絡めた「指切りげんまん」の画像が印象的だし、「クソ野郎」の映画でも「夜ノムコウには約束の場所」って言ってるし。
実は私には「約束」が何かははっきりとはわからない。メンバーは「SMAP復活させるよ」ってファンに約束したわけじゃないしね。ただ、それに近いことをしてくれるんじゃないか、というだけ。

それにしても、ジャニ事務所は3人にしたような嫌がらせは娘さんにはしていないわけだ。ELLE JAPONは木村さんだけでなく時々ジャニタレを特集してきた経緯はあるけど、だからと言ってジャニーズがに全部撤退しますって言われて困るような雑誌ではないし、どちらかというと木村さんのような別格のスターさん以外の若手のジャニタレはジャニーズが頼んで載せてもらう感じでは?つまり、娘さんを表紙にしてジャニ事務所が喜んでも怒ってもELLE JAPONにとってはあんまり関係ないってこと。ちなみにELLE JAPONを出版しているハースト婦人画報社は外資系で、新しい地図の3人にとてもよくしてくれている「25ans (ヴァンサンカン)」や「婦人画報」を出しているところでもあります。

娘さんの所属は工藤さんの個人事務所だけど、バックに大手がついているはず。それがジャニ事務所なのか、違う事務所なのか。ただ、女性モデルを売り出すバックがジャニ事務所、っていうのはあまりにもそぐわないと思いますが。

どっちにしろ木村さんがジュリーさん傘下から出ても、娘さんが別の大手事務所に守られていれば問題ないわけです。

私たちファンは5人のSMAPが見たいし、多くの業界人もそれを望んでいるだろうし、SMAPが見れなくなってなんとなく寂しい思いをしている人たちは一般の人の中にも多いはず。だからSMAPが見たいのであれば素直に復活を望むと伝えればいい。本人たちが困惑するとか言ってる人たちがいるけど、5人が5人とも困惑しているようには見えないし、どっちかというと歓迎している。そうでなければ5スマ復活希望を遠回しに追伸で告げているハガキばっかりラジオで読まない。アンチに乗せられてここでファンがSMAPを求めるリクエストを引っ込めてしまったら、ここまで頑張って、おそらくいろいろな犠牲を払って5人が揃う努力をしてきた5人はハシゴ外されたみたいになるのでは?

ラジオを聴いていると木村さんは新しい地図の3人とも中居さんとも間違いなくいい関係だと思う。その人がいきなり娘さんどうこうで5人の計画を頓挫させることは絶対にありえない。「娘さんデビューで5人のSMAPはもう無理ですか」ってワッツ宛てに書いたハガキに追記して聞いてみたらいいと思う。直接は答えられなくても何らかの形で答えてくれるんじゃないかな。

Yumey

追記:グノシー(サイゾー)の記事では、ELLE JAPONは数日の間娘さんの正体は伏せて「このモデルさんいったい誰?」みたいにざわつかせることで話題にしたかったらしい。
ところがこスポニチのスクープでこの作戦が頓挫。
グノシーの記事には工藤さんがリークしたと書かれていますが、ELLE JAPONの意向を無視して工藤さんがリークしてこれからお世話になるであろう雑誌編集者たちのご機嫌をそこねることはしないはず。
私はジャニ事務所の誰かが、同日報道の香取さんのルーブル美術館で日本の芸術を紹介するジャポニスム2018の広報大使就任、個展開催の報道から世間の目を外らすために書かせたんだと思う。事務所本体は娘さんの報道でキンプリデビュー報道が霞むのはまずいとおもった人が多いだろうから、副社長さんのどっちかが暴走したのかな?
もしジャニ事務所全体がスポニチのスクープ報道を知っていて、「よし」としていたら、ビビットなんかのジャニタレが出ている朝の報道番組で尺を取ってやっているはず。ところがジャニタレキャスターの報道番組ではやってなくてあさチャンなんかでやってたよね(1日目の話です)。
娘さんのバックは他大手かジャニ事務所かはわからないけど、こういう形でスクープされることは、娘さんにとってはマイナスだったわけだから、もしリークしたのがジャニ事務所だったら、木村さんは大事にされてない。
また、香取さんのルーブルに注目を集めさせたい飯島さんがこの日にわざとリークしてスクープさせることはありえないです(紙のスポ紙は全紙香取さんのニュースに前もってきちんとスペースを割いていたので)。

追記 2: 「娘さんのデビューについての私の意見」
モデルの仕事をとってもやりたいんだったらやったらいいと思う。だけど中居さんの言うように「若いうちにちゃんと勉強はしとけよ」って言いたい。15歳って自分のことも自分のいる人間社会のこともよくわかってないわけよ。15の頃なんて容姿運動能力音楽の才能すべてにおいて向いていない私でも宝塚に入りたいとか思ってたわけよ。
女優もそうだけどモデルなんて待ち時間も多い体力仕事だし、食事も制限されて、容姿を保つための運動もしなきゃいけない。女性のモデルや歌手、あと女優さんでさえ日本では30歳の半ば過ぎたらどんどん落ち目になる職業だよね。女優業や音楽を追求したい歌手は別だけど、ある意味芸能界の仕事で面白いのは表の舞台を作るクリエーターだったりプロデューサーじゃないのかな。もちろん脚本家やカメラマンも自分のやりたい仕事がやれて結果が出ればいい人生だろう。
ネットが発達したこの10年くらい、芸能人に限らずテレビやマスコミに出る人たちはネットの晒し者。どこでどんな攻撃を仕掛けられるかわからない。私としてはこんな時代に晒し者になって芸能人をやってくれて、娯楽を提供してくれてる人たちに感謝したいくらい。
娘さんは現実問題としてハーバードなんて入るの超難しい大学に行きたいんだったら高校でガッツリ勉強していい成績取らないとダメだから、モデルの仕事その他を忙しくやることはできないと思う。一方、アメリカの大学に進学したら4年間、モデルとしてはかなり稼げる年齢の期間仕事があんまりできないことになるから、モデルをまともな仕事として選ぶんだったら、アメリカの大学、っていう選択肢はないよね。
私の意見としては、モデルの仕事はほどほどにして高校・大学でしっかり勉強やクラブ活動や遊びやその他を経験をして、自分が本当にやりたいことを見つけてほしいな。感受性の高い15くらいから20代の前半って思いもかけない「出会い」があってそれがその人の人生をいい意味で変える。
いくら守られていても苦労が多くて女性は40前でピークが過ぎる芸能界の仕事は長い人生から見たら自己実現の場として有利なのかな、というのが私の感想。

NAKAMAdeArtと香取慎吾:日本のアート界に貢献 

追記:以下の記事を投稿して間もなく、新しいニュースが。香取さんの初の個展をフランスのパリのルーブル美術館で9月より開催、しかも世界から注目される日本の現代美術、映画、舞台を紹介する「ジャポニスム2018」展全体の広報大使に任命が決定、だって。想定の斜め上どころか想定外もいいところだわ、いい意味でw

もう何年も香取さんのジャニ事務所時代から、「絵の個展やったらいいのになー」って、後輩くんたちが個展を開いたり、絵本を出版したり、芸術派のフォトグラファーみたいに書かれたりするのを横目で見ながら思っていました。その頃は、「慎吾くん、他の仕事が忙しいんだよねー」と思っていましたが、今考えてみると「アートもできるジャニタレ」として後輩くんに注目を集めるために、香取さんのアート関係の仕事はジャニーズ事務所にいる限り日の目を見ることがなかったのかな?

SMAPはいっつもいい意味でファンの想定の斜め上の新企画を打ってくるんだけど、今回のNAKAMAdeArtもまさにそう。私なんかは通常画家がやるような既存の個展開催を考えていたのに、今回開かれたのは、若手アーティストとコラボして、まだアーティストとしての地位が確立していなくていろいろ苦労している彼らをアシストしつつ「新しい地図」のファンや一般のアートが好きも楽しめる素敵な企画。

いくら才能があっても無名の若いアーティストがアート界で名前や作品をまず知ってもらう、っていうのはとても難しい。才能はあるのにチャンスが掴めなくて、純粋なアート制作を諦めて、お金のために広告関係のイラストレーターになってしまったり、アーティストとして食べていくことそのものを諦めてしまう人たちも少なくない。

日本という国は、転職したりフリーランスで仕事をする人口が、例えばアメリカなんかに比べて格段に少ないし、田舎に住んでも生活費が安くないから無名のアーティストが制作に専念するのは容易ではない。政府や財団から貰える奨学金や補助金も先進国にしては少ないし、村上春樹さんが昔、銀行で職業欄に「小説家」と書いて住宅ローンを断わられたという有名な逸話があるけど、クリエイティブな仕事をしている人たちはどこかの会社や団体に所属していないかぎり、銀行から住宅ローンや制作のためのお金を借りることもできない。パトロンになってくれるアートに理解のあるお金持ちも少ないし、結果、日本のアート界が世界的に見て貧弱、という現状がある。

アートは人の心を豊かにし、楽しくする、その一方、人の悲しみや絶望を表現して見る人の心に訴える。時代の空気に敏感なアーティストたちは、現代社会における美や希望や喜び、悪や恐れや悲しみなど独特の感性で感じ取って表現して、見る人を感動させたり批判的な考えを促したりすることができる。アンディ・ウォーホールなんかは純芸術と商業芸術の差異を不明瞭にすることで既存のアート界を批判したわけだけど、純芸術は、究極的には物を売るための商業美術ではできない美の追求や社会批判もできるから、簡単にはお金にならない純芸術作品を制作するアーティストを育てることはとても大事。

SMAPの「香取慎吾」の知名度と人気を生かして若手アーティストのアシストをする、それによって、日本のアート界の将来を豊かにすることに貢献、なんて、まさに私の想像の斜め上を行く素晴らしい企画。新しい地図のNAKAMAとして賛同、参加できる私たちファンもこの企画を誇りに思っていいと思う。

NAKAMA de ART展は5月24日(木)~6月24(日)の1か月間、帝国ホテルプラザ(東京・日比谷)にて開催。営業時間:午前11時00分~午後7時00分。グッズのTシャツ(4000円)も購入可(これが結構、展覧会のための出費の資金になるのかもね)。カフェもあって飲み物も買えるけど、椅子はないから「作品を見ながら飲んでね」っていうことかな。列に並んで待つ方式みたいだけど、時間によってすぐ入れたり、1時間以上待ってないと入れなかったりするみたいで、ツイッターで混み具合を教えてくれてる。この間6時過ぎに香取さんが来て居合わせたファンは楽しかったみたいだから、今後も運が良かったら期待できそう。

ホームページ:http://nakamadeart.tokyo/index.html
Twitter: NAKAMAdeART@NAKAMAdeART

By Yumey

SMAPと関係ないけど:日大アメフト反則タックル事件について

SNSはやらないと決めていた私がブログを始めたのは、あれだけジャニーズの隆盛に貢献して後輩くんたちにも常に暖かいサポートをしていたSMAPが、事務所からあんな酷い扱いを受けたことが許せなかったから。

SMAPの消滅はグローバルなスケールの政治や経済の動きの中では比較的小さなことかもしれないけど、あまりにも理不尽な形でジャニ事務所によってSMAPが跡形もなく解体されてしまう、それを許すということは私たちが今生きている社会、特に日本の芸能界に存在したSMAPに表象される小さな良心を潰すことだと思った。悠久な歴史の中ではちっぽけな事件かもしれないけど、SMAPが大きな権力によって潰されてしまうのを許すことは、これからの日本社会の夢や希望を潰すことだとも思えた。
ファンによるSMAPへの支援、クラウドファンディングによる広告、署名、「世界に一つだけの花」購買運動に関わることで一人一人のファンの力は寡少でも集まればそれなりに影響力を行使できることも学んだ。
「世論」の後押しが少しではあっても「一旦解散という形を取った」SMAPのための追い風になることも知った。

だから、今回はSMAPとほぼ無関係だけど、日大アメフト部反則タックルの件について「世論」の一部として後押しするために投稿したい。

実はついさっき、関東学生連盟の規律委員会が「反則は監督とコーチの指示」と認定する方針を固めた旨を共同通信がネットで報道していました。
宮川選手がパスし終わって気を抜いている選手をホイッスルが鳴ったあとで激しいタックルをした、というのは通常では考えられないくらい酷い反則です。私は宮川さんは卑劣な行為をしたと思いますし、それに対して責任を取るべきだと思う。本人も非を認めている。しかし、そこまで追い詰めたのは内田監督。内田さんは以前から「宮川なんかはやる気があるか分からないので試合に出さない。辞めていい」と言っていたそうで、日本代表辞退も指示。

つまり内田監督は宮川選手に対して「干す」「虐める」などして一発奮起させる、という手段を使っていた(NHKクローズアップ現代)。今回の場合はそうやってプレッシャーをかけて追い込むことによって、秋の試合で日大が勝ちやすくなるように、試合ではキーパーソンである相手方のクウォーター・バック(QB)に怪我を負わせる役割を宮川さんに振った。

宮川の試合中最初の二度の反則タックルも叱るどころか、内田監督や井上コーチは「よくやった」という態度だったし、宮川選手はプレッシャーと焦りで冷静な判断ができなくなっている状態だったと考えられる。しかも人生経験のない若干20歳。そして三度目のタックルを実行。相手は全治3週間の怪我を負う。

内田さんは人事や就職の分野で大きな権限を持っており、田中理事長に次いで日大ではナンバー2の実権を持っていたこともあり、宮川さんが監督に逆らったら自分のアメフトでの選手生命が事実上断たれるだけでなく、就職も難しくなるかもしれないという大きな不安もあり、かいつまんでいえば暗黙の脅迫を受けていたとも言えるでしょう。

内田監督は「潰す」と言ったのは「怪我をさせろ」と言う意味ではなかったと仰っていますが、文春が手に入れたテープでは宮川さんの反則プレーを褒めるようなことを言っています。

尚、文春入手の録音された囲み取材で「以前、関学も汚いことをやった」のように発言されていますが、それはおそらく2007年春の関学大と日大の定期戦で、エースのQB、山城選手が関学のディフェンダーの激しいタックルを受けて首と左腕を結ぶ神経が2本抜け落ちるという大怪我を負い救急車で搬送、入院というアクシデントのことを言っている。山城さんはその後大学在学時試合に出ることもできず、壮絶なリハビリを経てやっと復帰していますが、山城選手の件は試合中に起こった不幸なアクシデントで、卑劣な反則行為までしてわざと怪我をさせたわけではないのです。

日大学長の会見も聞いていましたが、学長さんは内田井上監督コーチと宮川さんの間にコミュニケーションがうまくとれていなかったのが今回の事件を引き起こしてしまった理由だと言いたいよう。
そうではなくて、宮川さんは内田井上両者の言わんとするところを正確に理解して、命令に従った。だから内田さん、井上さんから試合中も試合後も「よくやった」とねぎらわれている。

学長さんの回答をじっくり聞いていると、学長さんは宮川さんは「真面目な」学生で、言われたことを真面目に実行したところに問題があるとも言っている。つまり、学長さんは内田さんが「怪我をさせろ」と命令したことを認識しており、宮川さんはその命令を「真面目に聞くべきではなかった」と言っている。こんなばかげた理屈はない。通常の場合であれば監督やコーチの指示に従うのが選手の義務です。「真面目に実行するべきでない」指示は監督が出すべきではない。

日大という大きな大学の学長をなさっているような方がこのようなわけのわからないことを公の場で仰ったということはちょっと信じられないですね。

宮川さんが卑劣な行為をした事実は変えようがありませんが、会見での態度は(有能な弁護士さんのアシストがあったことも幸いしたのでしょうが)大変よかったと思います。「ホイッスルが鳴っていたのに気がついていた」とご自分で認められたことで罪は重くなるでしょうが、嘘をついて罪を軽くする手段を取らず真実を話されたのは偉いと思います。今後、今回の件で起訴されることになれば、裁判中、また判決が出た後も苦労されるかもしれません。だけど、罪を贖った後、非を認めて正しいことをした自分に誇りを持って生きていけるんじゃないかな。

ブログの趣旨からちょっと脱線しましたが、SMAP関連でも書きたいことはいくつかありますので、頑張って近日中に投稿します。

追伸:日大の学長さん、関東学生連盟や第三者委員会に調査・判断を委ねると言いながら、結局は宮川くんが監督の意図と違うことをした、あるいは「真面目に」監督の言うことを聞くべきではなかった、宮川くんが判断ミスをしたと言い、内田さんや宮川さんときちんと話もしていないのに宮川くんを一方的に非難している。つまり学長にとって内田さんは大事なお仲間で、学長さんは中立性さえ保っていない。父母会や日大アメフト部の現役部員の方たちが声をあげようとしているのは学長さんや広報部も含めて日大本部側に誰一人として宮川さんの話を先入観なしに聞いて判断しようとする人がいないからでしょう。

それにしても学長さん、歯学部出身とはいえ学者さんでしょうに、事実関係を調査もしないで不用意な発言を公になさるというのは、かなり頭がお悪いようで。

Yumey