藤島ジュリー氏には「デモクラティックな」体制を作るのは無理なのでは?

ジャニー喜多川の夥しい数の性犯罪やそれだけでなく元ジャニーズ社員の性加害の事実まで出てきているのが現在の状況。

統括的な考察は私は今書く時間がないので、副次的問題だけど一つだけコメントしたいことが。

松谷創一郎氏や、ジュリー社長のブレーンになっている次原悦子氏が(後者は YouTube #一月万冊 経由で)、ジュリー氏はジャニーメリーの古い強権的な体制を変えて「ふつうの会社」にしようとしていたと仰っています。

いやそれは真実である面もあると思うけど、結論を言えば「ジュリー独裁体制」を強化する「改革」だったのではないかと。

「ふつうの会社にすることに反対した古参の社員を首切りした」ということだけど、これによりジュリー氏を批判しない「イエスマン」だけ残ることになり、事務所には有能な社員がほぼいなくなってしまったのでは?

さらに会社をホールディンング化、つまりこれはトップダウンの強権体制を強化することに繋がるのではないかと思うのだけど、その過程で邪魔だったタッキーを首にしたとも。事務所のジュニアやタレントの人望も厚く、滝沢歌舞伎や和のモチーフを使ったSixTonesのプロデュースなどクリエイティブな分野でもある程度の結果も出している滝沢さんを排除するって、ジャニ事務所にとって貴重な人材を自ら捨てたとしか思えない。

この6年間、このブログでも何回も指摘してきたけどジュリー氏が今まで実行してきた方針には大きな問題があると思う。

まず、2000年代後半(2010年前後)に言われていたのは、彼女はV6、SMAP、少年隊、NEWSなどグループを潰してGの数を少なくして、少数のG(つまり自分が推したいG)をメインに推せるようにする、一方、舞台やコンサートのように開催するのにお金がかかるイベントやグループでのテレビ出演(冠番組など)は出演料も「コスパが悪い」から「テレビに」「タレントをソロで出演」させたい方針、と。

その方針を実行した結果、バラエティー番組や情報番組にジャニタレがうようよソロ出演するだけでなく、自分のCMのスポンサーなどを批判できず、そもそも自分で取材して考えてコメントなんて無理すぎるのに報道キャスターまでやらせているわけだよ。

ソロ出演のジャニタレは事務所が「安易に」金を稼ぐためにゴリ押ししているケースが多くて「このジャニタレじゃなきゃダメ」っていうケースはそんなに多くないでしょ。

同時に、ジュリー氏が依怙贔屓していた嵐以外は嵐のグループ人気だけを上げるために、グループの冠番組を育てることをおざなりにしてきた。

世代が嵐と近くてお笑いバラエティーをやることが本意でなかったメンバーもいた関ジャニやエース山Pが抜けたNEWSは敢えて押さなくてもよかったと思うけど、ヘイセイ・ジャンプやSexy Zone、特にセクゾンはあれだけ特定のメンバーを押すならグループの冠番組を上手に育ててあげたらよかったのでは?もちろんSMAP以来の逸材のキンプリなんてもっと早くから冠番組を作ってあげたガンガン押すべきだった。

さらにジュリー氏は、ミュージカルなどの舞台をジャニーズとして「積極的に」推し進める気持ちは全くなかったような気がする。ジュリー氏がやらせていたのはこの分野ではマンネリだったように見えるし(ってか他の分野でもマンネリだったような)「テレビドラマに出れない2番手3番手のタレントがやるもの」みたいな位置付けでやらせていたように見受けられる。

私から言わせると、ジャニタレの真骨頂は歌とダンスのステージだと思っているから、舞台を大事にしないのは、ジャニーズとして本末転倒、ですよ。

もっと言えば、テレビでも映画でも舞台でも、ジュリー氏の下ではどの分野でも新しい方向性や企画は生み出されておらず、SMAPの後追いばかり(それも執拗にバカみたいにSMAPがやったことを(生放送のバラエティーとか嵐などの後輩ができないこと以外は)「すべて」自分がマネージメントしているタレントにやらせていた)。
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で、どうしてジュリー陣営では芸能の世界ではある意味一番大事な「新しい」「今まで誰もやっていない」企画を生み出すことができなかったか、一方SMAP陣営にはそれができたか、という問題なんだけど、、、

これについてはSMAPのメンバーもSMAPのマネージャーさんが優秀だったからだよー、とよく言われるんだけど、私はそれだけではないと思う。結論から言えば、SMAP陣営は構造がトップダウンでなく、デモクラティックだったから、というのが私の考え。

長年SMAPファンをやってきて、この頃やっと気づいたことだけど、SMAPのマネージャーさんはジャニーズ事務所の一社員でしかなく「メンバーと比較した時に」全然地位の高い人ではなかったという事実、が一つの大きな要因ではないか、と。

マネージャーっていうのは一般的にタレントの付き人みたいな存在であることが多いわけだよね。SMAPさんたちも昔はヤンチャなクソガキで、大声で叱ったりしたことも多かっただろうけど、社員からしてみたら基本的にタレントさんは事務所の「大事な商品」であるわけで、おそらく昔から今に至るまでSMAPのマネージャーさんはタレントであるSMAPさんたちに対して腰が低いんだと思う(現在も新しい地図の3人とはエージェント契約で対等なパートナーという立場)。

ジャニーズ事務所ではSMAPは飯島管轄で、私もこの頃知ったんだけど本当に「お外様さま」と呼ばれていて、事務所からはぞんざいに扱われていたらしい。

ジャニー氏はもともとデビュー組には(性的興味も失せていただけでなく)彼らがやる芸能の中身も自分がどうさせたいとかあまり興味はなかったと思うし、もちろんメリー氏などは金勘定や経営が仕事で、元々芸能のコンテンツに自分が関わる意志も能力もないし、ということは、腰の低い飯島さんが統括してSMAPチームが方向性を模索して企画を開発していた、ということ。

そういうSMAPチームが謳歌していたのは「トップの人(つまりSMAPのマネージャーさん)が偉くない」「自由な雰囲気」だったのではないでしょうか。だからSMAPメンバーたちも萎縮せず、フリーダムを満喫して活動できていたし、クリエーターや番組スタッフも斬新な意見を出したり、批判を言い交わせたりしやすかったんじゃないかな。

もちろんマネージャーさんが、メンバーのためにはスタッフにも煩い(これは私の想像。間違ってたらごめんなさい)一方、わりと自由にやらせてくれる包容力のある人だった点も看過はできませんが。
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博報堂勤務時代、実際藤島ジュリーさんと何回か対面で会ったことのある、YouTube #一月万冊 でご活躍の本間龍さんのお話では、彼女が来るとタレントは急に恐縮するようなポジ(と性格?)の人だったということ。

上のエピはCM撮影の時のことだけど、テレビ局でも同様だったと思うから、タレントだけでなくテレビ局スタッフも、ジュリー氏が来た時に萎縮する、というより企画なんかの時にもジュリー氏のご機嫌を損ねないように、腫れ物に触るように気をつかっていたのではないかと思う。

もう10年くらい前(?)、SMAP解散のかなり前にSMAPファンの人がジュリー管轄のグループの番協に行って、ジュリー氏がいたわけじゃないけど、スタッフがタレントに気を遣っていて、その雰囲気にびっくりして「SMAPはこんなんじゃなくてよかったわ」ってSNSでちらっと言ってたけど、本間氏の話とも合致する。

嵐は特にNGが多くてテレビスタッフは大変という噂は聞いていましたが、ジュリー氏の気に入らないことをやらかして、制裁を受けたりすると、直接自分の仕事に影響、っていうか昇進にダメージがあったり、裏方の仕事を干されたり、というのもありえないわけではなく怖いよね。
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つまり私が言いたいのは、、、、、SMAPさんたちとSMAPチームが作り出してきた数々の爆笑バラエティーや素敵な作品は、SMAPがたまたま「お外様さま」だったから成し得た偉業だったのではないかと言うこと。

SMAPは1990年代後半から羊さんに事務所内で虐めパワハラを受けて(矢面に立ったのはもちろんマネージャーさん)、挙げ句の果てにジャニー氏がSMAPを守るために自分が社長で、羊さん親子が全く株を持っていない別会社を作ってあげた。そのため、まあマネージャーさんは自分ができる範囲でできるだけSMAPの利益を守ることが仕事だから、スタッフにもいろいろ煩いことも言ってたかもしれないけど、SMAPの仕事場はSMAPさんたち自身が萎縮するような強権的な環境ではなかったということ、おそらく。
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一方ジュリー氏には、今まで30年間、自分自身が強権的に事務所を運営してきたという点で「デモクラティックな」会社の再建は難しいのでは?って私は思うわけ。

彼女の問題の一つは、ご自分に「タレントやグループはこの方向性で行くべき」という強い考えがあって、それを強要してしまうことではないでしょうか。それから外れるタレントとは軋轢を起こしてタレントが本当はそれほど退社したいと思っていなくても退社してしまう。

赤西さんやキンプリはこの例では?
ジュリー氏は商業的にも成功したSMAPや嵐のモデルを踏襲させることしか頭になくて、タレントがそれから逸脱したことをやりたいと言うと怒ってパワハラ虐め、みたいなことをしてしまったのでは?(Kat-tunは嵐のライバルだから潰したかったのかもしれないけど。)

また、強権的な環境ではタレントも不満を言いにくいのかもしれないけど、ジュリー氏自身もタレントがやりたくないこと、やりたいこと、タレント自身の方向性に敏感に目を向ける気持ちも能力もなかったのでは?関ジャニ渋谷さんのケースなどを見ると。

SMAPや嵐がやって成功したバラエティーを今度は関ジャニにやらせよう、みたいに安易に考えてたのではないのでしょうか。

そもそもSMAPは上記で述べたようにマネージャーさんの地位が高くなかったこともあったのかもしれないけど、合わないことはやらせない、合うこと、タレントがやりたいことをできるだけ尊重して、たまにタレントがやりたくないこともサジェストしてみる、というやり方で成功している。稲垣草なぎなんてSMAPが無双の人気があって超忙しかった時期にも必ず、ものすごい時間と労力を使うわりに見入りは少ない、ある意味「コスパの悪すぎる」小劇場の舞台を毎年一回はやらせてもらっていた。
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ジャニー喜多川やジャニーズ社員の性犯罪の件が今後、ジャニーズ事務所の消滅につながるかどうか(ジュリー氏が責任を取って辞任して、事務所を畳むのはタレントにとってもジュリー氏にとっても必ずしも悪いことではないと思うけど)についてはまた投稿をするけど、とりあえず「性加害問題がなかったとしても」藤島ジュリー氏傘下のジャニーズ事務所は泥舟だったというのが私の推測です。

私はジャニーズのタレントさんたちには、基本的に頑張ってほしいと思っています。けれどこのブログで何回も言っているように、そこまで能力のないタレントに大きな仕事をさせるのは、タレントのためにもよくない。

ジャニーズタレントには全て多かれ少なかれファンがついているから事務所が潰れても、それぞれ他の芸能事務所に散らばるなどすれば、「会員ビジネス」で最低限安定した芸能活動はできるのではないかと思う。これも何度も言ってるけど、今はあんまりテレビに出られなくなってもネットや配信を通じて露出もできるし、もちろん対面のコンサートやイベントもできる。

現実的に考えて、大野さんが仮に戻って来ても「幸せに」G活動に参加するとは思えない嵐は今も今後ソロ活動でしょうし、今、とても得をしているジャニーズタレントはソロの人たち(それも比較的高齢の)でグループではない。彼らは、人気はともかく、知名度はあるし、中にはスキルもそこそこある人もいるので、事務所がなくなっても別事務所所属でそれなりに仕事は取れるのでは?今、病気でお休み中だけど、今井翼さんは松竹で、かなりスムーズに芸能活動を続けていたように見受けられました。

ジュリー氏が先輩Gを解散させているのは、一つには退社したいタレントがいること、退社したらG活動ができなくなるというルールが今はあること、第二に、先輩Gを解散させて後輩Gを売っていきたい、事務所のリソースを若手に注ぎ込みたいという理由からでしょう。

事務所がなくなって、グループや過去の楽曲の権利を、タレントの移籍先の事務所が使用料を払って使えるようにすれば、今の男闘呼組のようにグループメンバーの事務所が分かれていても、自由にコンサートをやりたい時に集まってライブをやったりできるようになるのでは?仲直りするのに時間と努力がかかるかもしれないけど、少年隊なんかもたまにライブをしたりもできるわけで。SMAPなんかはいろんな条件が合えばふつうに再結成もありだし。若手Gは、先輩Gを犠牲にしなくても50のオジサンに比べたら「若い」という強力な武器があるんだから、それを使ってアイドルビジネス頑張ればいいだけでは?

というわけで、結論としては、ジャニーズ事務所は社長のジュリー氏の引責辞任、経営陣の完全な入れ替え、名前の変更などして、継続する可能性も全くないとは言えないけど、タレントのためにもジュリー氏は、仮にジャニー喜多川や社員の性犯罪の問題が全くなかったとしても、芸能事務所の社長には向かない方なのではないかと。

ジュリー氏は早期退職に相応しいお歳だし、被害者への補償や継続した心のケアにはジャニーズ事務所が金を出して別に基金を立ち上げて対処するにしても、CMや映画などの違約金は事務所が払わなくていいような形で上手に事務所を畳んで、藤島家の財産はキープできるようにして今後もセレブな生活ができるとしたらジュリー氏にとっても悪いことではないでしょう。ジュリー氏は芸能事務所なんか経営しなくても、株や不動産を賢く運用すれば、贅沢な生活をしてもお金は増やせるほどの資産家。(元)ジャニーズタレントやグループを応援したければ、いわゆる「タニマチ」、「パトロン」的な援助もできるのでは?(演歌歌手なんかにもそういう人たちがいるんじゃないの?この分野のことはよく知らないけど)。

以上、とりあえず今言いたいこと。

Yumey