来日したウガンダの五輪チームの選手にPCR検査陽性者が出た意味(追記しました)

追記:陽性は判明したウガンダチームのコーチと一緒に来日した8人の選手が濃厚接触者に当たるかどうかは、空港検疫が判断するのか、受け入れる地方自治体(泉佐野市)の保健所が決めるのかわからない(?!)という問題が発生して保留状態でしたが、やっと22日の火曜日に泉佐野市が8人、および成田から泉佐野市まで一緒にバス移動をした市職員1人を濃厚接触者と認めました。8人は来月3日まで泉佐野市の隔離待機。受け入れたホテルはもちろん濃厚接触者を受け入れる予定ではなかったでしょうから災難ですね。個人的な意見だけど、来月の頭まで選手がトレーニングができないというのは、五輪出場を考えるととても困ると思う。筋肉使わなかったらどんどん落ちていくよ。人のいない戸外で感染させることはほぼないし、泉佐野はかなり田舎でスペースもあるだろうから何らかの形でトレーニングできるようにしてほしい。ホテルの部屋にマシンを入れてトレーニングするのももちろんアリ。ボクシングの選手は部屋でそこそこトレーニングできるかもしれないけど。

ウガンダチームは2週間トレーニングができないという大きなハンデを担いながらも五輪参加はできると思うけど、直前に来る五輪チームに感染者が出たら、そのチームの選手全員五輪に参加できなくなってしまいます。どーすんの、これ????いや、マジ困るでしょう?

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ウガンダの選手団の方々が日本人にありがちな醜い理不尽な人種差別のターゲットにならないように、どういうことか説明しておきますね。

選手は全員、ウガンダを出る前、72時間以内にPCR検査を受けて陰性証明を持って日本に来ています。

空港では外国人選手にはPCR検査ではなく、精度の低い抗原検査をする(理由は、おそらくですが日本には五輪で渡日する選手全員にPCR検査をするキャパがないから)。で、ウガンダの選手団に抗原検査をしたところ、一人だけ検査結果があいまいだった。それを受けて彼にPCR検査をすると陽性。

この陽性が出た選手の方は検疫が指定する施設に隔離、経過観察。2、3週間後の隔離後、症状が出なければ五輪に出れるのか、ウガンダに帰国になるのか、それは私にはわからない。

選手がPCR陰性証明をゲットしてきたのになぜ陽性反応が出たかと言えば、PCRの感度がもともと低い(60%くらい)、だから偽陰性が出ることは少なくない。また、感染して2、3日はPCR検査で陽性とは出ませんから、彼がウガンダでPCR検査を受けた時、感染のごく初期だった可能性もあります。

一方、抗原検査で陰性だった8人は、日本の濃厚接触者の定義は「マスクを外して1メートル以内で15分以上喋った」場合ですから、飛行機の中ではずっとマスクを着けていた、ということで濃厚接触者には当たらない。ですから、彼らはキャンプ地の泉佐野市にバスで移動。ちなみに泉佐野では毎日PCR検査を受けるそうです。

また、選手の方たちは全員アストラゼネカ製のワクチンをきちんと2度打って来日。まあアストラゼネカ製ならファイザーやモデルナよりは若干効果が低いと考えられるけど。ちなみに、多くの途上国の選手は、アストラゼネカや中国製のワクチンを打って日本に来ます。
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選手が日本人と接触するのは限られているので、私は競技が行われる前までは選手が一般の日本人を感染させることは少ないと思っています。心配されるのは、選手村の中での感染拡大です。
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外国人選手より、一般の日本人にとってずっとリスクが高いのは、空港での抗原検査もなしに72時間以内の陰性証明で日本に入国、隔離もほぼなしで東京など自由に歩き回る外国人関係者や報道陣です。もちろん、彼らもほぼ全員ワクチンを打って来日すると考えられますが、上記のようにアストラゼネカや中国製のワクチンを打っている人たちもとても多い。また、ファイザーやモデルナのワクチンも5%強の人たちには、そもそも抗体ができない。
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五輪で日本に来る選手は高々1万人。日本はその1万人にさえ空港でPCR検査をするキャパがない。

また、外国人選手には毎日検査をすると言っていますが、それはとても精度の低い抗原検査でPCR検査ではありません。
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記者会見でフランス人記者の「なぜコロナ禍の日本で五輪を開催するのか」という質問に、菅総理は

「(理由は)プライドでも経済でもありません。
日本においては、そうした外国から来られた方(向けにしっかり)感染対策
を講じることができるからであります。
選手の皆さんはワクチンを打って来られます。
選手をはじめ、関係者の皆さんは…….日本に入る前に、PCR検査、入国時に検査、それから3日間、また選手は毎日、検査をします。
それだけ厳しいまず対応をするということが1つです。」

と答えていますが、確かに自分の国を出る前に72時間以内のPCR検査はしてきますが、日本の空港での検査は、上でも言っているように精度の低い「抗原検査」でPCR検査ではありません。さらに選手が毎日する検査も「抗原検査」でPCR検査ではありません。

外国人関係者や報道陣に関してはそもそも抗原検査でも検査をする、という話を私は聞いていないけどな〜。すでに何千人も入ってきてるんでしょ?

しかも五輪関係者は何と、自分で(1)2週間隔離(2)3日隔離(3)隔離期間なし、を選べて(?!)、五輪組織委が隔離期間なしで検疫を通過するための書類の書き方を外国人五輪関係者に教えていたそうな!!!!!(組織委の人たちホントバカじゃないの?)

「五輪組織委がカンニング推奨!模範解答写しで「隔離0日」の“おもてなし”が発覚」

https://news.yahoo.co.jp/articles/33c4fccb54b667709cd6c0a3e8be8ed406f6c6ec

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丸川五輪大臣は4万人分のワクチンを日本の五輪関係者、ボランティア向けにファイザーから譲ってもらったと話していたけれど、4万では7万いるボランティア全員には行き渡らないし、外国人五輪選手や関係者を搬送するバスやハイヤーのドライバー、会場の清掃員はワクチン接種なしで仕事をするんだよね。

また、五輪と言うと新国立を思い浮かべるけど、実は五輪のさまざまな競技は45会場、東京のいろんな場所で開催されます。その会場の一つ一つにキャパの半分、上限1万で日本人の観客を入れると言っているわけ。

そして、その各会場それぞれ1万人(私は無観客にするべきだと思うけど)の観客をどうやって選別して、ウイルスキャリアを入れないか、という方法に関しては、今のところ何も組織委からサジェストされていません。

ふつうに考えられるのはワクチン接種証明だけど、それだとほぼ高齢者だけしか入れられない。ちょっと前に、国や組織委が1週間前の「PCR陰性証明」を使ったらと言い出してて、このブログで私がむちゃくちゃ批判したけど、例えば4日前くらいのPCR陰性証明でも全く何もなしで観客を入れるよりまだましでしょう(でも、感染を防ぐには無観客、なのです)。

結論から言うと、東京五輪によるコロナ感染拡大は必ず起こる。

もし中止にできないのなら、少しでも感染を制限できるように私たちも頑張って声を上げないと。

ちなみに、東京周辺の県と同様東京も代々木、井の頭、上野公園その他で行われる予定だったパブリック・ビューイングは全て中止になりました。私たちがSNSで声を上げたり、署名活動をしたり、武蔵野市の市長さん、議員さんたち、その他五輪に反対するグループの方たちなど、みんなで頑張ったからです(7月の頭に都議選があるのも有利に働いた)。

五輪で感染拡大すると、私たちの家族や私たち自身がコロナでない、不慮の病気や事故で倒れても救急搬送などが間に合わずふつうだと死なないでいいところなのに死ぬことになるかもしれません。五輪の時期、東京に限らず地方でも五輪の競技は行われるし、デルタ変異株の拡散で感染が拡大しないという保証はありません。

頑張って東京五輪反対の声を上げていきましょう!

Yumey

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